「3ヶ月に1回、定期検診とクリーニングに来てくださいね。」歯医者さんでこんな風に言われた経験がある方は多いのではないでしょうか。歯医者さんから「そろそろ定期検診の時期です」と書いたお知らせのハガキが届いたこともあるかもしれません。『早期発見・早期治療!』と言われると確かに良さそうな気もしますが、歯医者さんのすすめに従ってマメに定期検診に通ったせいで、かえって歯が悪くなってしまった...というケースもあります。一体どういうことなのでしょうか?
たとえば、下の写真の患者さんは、定期検診に行った際に、「痛い」や「しみる」などの症状がまったくなかった奥歯の銀歯を、「外しましょうか」と歯医者さんにすすめられるまま外すことになりました。
ところが、大きな銀歯の土台(メタルコア)を外すときに歯にヒビが入ってしまい、それだけでなく、歯を貫通して歯ぐきとつながる穴まで開けられてしまいました(しかも2箇所も...)。
銀歯を外す際に入ったヒビと2箇所の穴 オールセラミッククラウンで修復した歯
歯医者が自分で壊しておきながら「これはもう抜歯するしかありませんね」という診断に不信感を抱き、この患者様は当院ホームページを見つけて来院されました。抜歯を回避して残すのは困難な症例でしたが、ファイバーコアで歯質を補強し、オールセラミッククラウンで無事に修復することができました。よほどかたいものを食べない限りは、おそらく持つと思います。
歯医者さんにマメに通っていて、もう治療が必要な歯が見当たらないとき、もし運悪く、それが自分の利益を重視する歯医者さんだったら...たとえば金属アレルギーでもないのに「銀歯が古いから取りかえましょう」などと言って、今回のように余計な歯を削られたり、最悪の場合には歯を壊されたりしてしまうこともあります。
私はよく、「歯医者さんになんか行かない方がいい」と言うのですが、あながち冗談ではアリマセン。不用意に歯を削られて悪い状態を作られてしまうよりは、自宅で毎日ていねいに歯みがきをしている方が、よっぽど虫歯や抜歯を防ぐことができると、日々痛感しています。