先日、保険の銀歯が外れた患者さんが来院されました。
内部を見ますと、「ムシ歯」が歯の神経 (歯髄)に近接し、歯肉縁下にまで広がっていました。
幸い歯の神経を残すことができ、
『ダイレクトボンディング』で即日審美修復いたしました。
保険銀歯は歯とつめ物の間にすき間ができることがあるので、
ムシ歯の再発が多い傾向があります。
では、自費のセラミックで治療をすれば大丈夫なのでしょうか?
下の写真は、他院で4ヶ月ほど前にセラミック治療を受けた別の患者さんの写真です。
痛みと段差があり、ずっと気になっていたので
別の歯科医院に行かれたそうですが改善せず、当院に来院されました。
セラミックを除去したところ、この方にも内部でムシ歯が広がっていました。
原因は、ムシ歯の取り残しです。
実は上の銀歯の患者さんも、取り残しによるムシ歯の再発でした。
ホームページなどで
「マイクロスコープを使っています」
「拡大鏡を使用しています」
と 謳っている歯科医院もありますが、
今回の患者様方のケースでは、ムシ歯がごっそりと残っていました。
治療している時、歯科医に「まあこれくらいでムシ歯は全部取れただろう」という思い込みがあったのだと思います。
本来は、探針(たんしん)という道具を使って、
取り残しがないかていねいに確認しながらムシ歯をきっちり取っていくのですが、
これは集中力と根気と時間のかかる、けっこう大変な作業です。
時間に追われていたり、歯科医師側にちゃんと治そうという気がなかったら、
マイクロスコープを使ったとしてもムシ歯の取り残しはあり得ます。
また、「自費のセラミックだから歯が長持ちする」というわけでもありません。
銀歯とセラミックでは治療の仕方や工程が異なるため、
腕が悪かったり、長く保険銀歯を扱ってきた歯科医だと、
独自の癖が出て早くダメになってしまうこともあるのです。
歯科医の本気度が、治療の予後に影響するというのは確かにあると思います。
他院で治療した歯でも、痛みがある、段差やすき間がある、歯が欠ける、
などの症状があれば、お気軽にご相談ください。