他の歯医者さんで自費のセラミックのインレー(つめ物)を入れてもらったのに、
2年もたたないうちに欠けてしまって、冷たいものがしみるようになってきた...
といって来院される患者さんが少なくありません。
その箇所にライトをあててよーく見ると、つめ物と歯の境目に茶色いラインができていたり、
つめ物の中がうっすらと黒ずんで見えたり、フロスが引っ掛かったりするのが特徴です。
このような場合は、たいてい中がむし歯になっています。
深く大きいむし歯になっていることもよくあります。
近年、ほとんどの歯科医院が自費のセラミックを扱っていますが、
実は、素材が良いだけではダメなのです。
つめ物と歯の間にほんの少しでもすき間があると、
むし歯菌はそこから楽々と入り込んで中に虫歯を広げていきます。
それを防ぐために本当は
1:歯のエナメル質への処理
2:象牙質への処理
3:セラミックへの処理
この3段階の処理をすることが必要で、
これを完ぺきにやれば、すき間はほとんどできません。
つめ物が取れてしまったり、むし歯が再発したりなんていう可能性も非常に低くなります。
ところが、この処理には手間と時間がかかるのです。
大勢の患者さんを治療してなんぼ、という経営方針の医院であればあるほど、
できるだけこの面倒な工程を省きたがります。
省いても法律に触れるわけではありませんし、患者さんにバレることもありません。
はっきり言って、医療者としての良心と倫理の問題です。
簡便に1回の処理で終わる一液性の処理剤も発売されましたが、
やっぱり耐久性が低く、すき間もできるし、
数年で取れてしまうことが多いそうです。
手間を省くことで歯科医にとっての利便性があっても、
それによって患者さんに不利益があるのであれば意味がありません。
これにとどまらず、取れたりむし歯が再発すればまた治療にくるからおいしい、
とすら思っている恥ずかしい歯医者もいるかもしれません。
私が得意とする『ダイレクトボンディング』は、
インレー(つめ物)を接着剤で歯にくっつけるのではなく、
歯に直接(=ダイレクト)セラミック素材を、
何層にもわたって重ねてつけていく(=ボンディング)ので、
そもそもすき間などが全くできない構造になっています。
この治療はかなり高度な技術が必要なので、
少し深いむし歯になると、ダイレクトボンディングでは対応できない先生がほとんどのようです。
神は細部に宿るという言葉の通り、
「あと1%の努力」を積み重ねて、
自分の良心に恥じない納得のいく治療を今後も続けてまいります。
「以前治療した歯だけど、もしかしてむし歯になっている...?」
など気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
2018.11.16ブログ
自費のセラミックのすき間から、むし歯になることも!
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