歯医者さんで「これは抜歯しかありません」と言われるもののなかに、

歯が割れてしまう『歯根破折』があります。

歯が割れる原因は様々ですが、

ムシ歯治療で以前差し歯(クラウン・かぶせ物)にした歯の土台が原因で

破折してしまうケースもあります。

なぜ歯の土台が原因で割れることがあるかというと、

保険の場合は、差し歯の土台に金属製のメタルコアを使います。

銀合金が使われることが多いのですが、

歯よりも硬すぎて弾性がほとんどないため、

食事したり歯をかみしめたり歯ぎしりをしたときに、

くさびのように天然歯の方に負担がかかって

歯の根が折れてしまうことがあるのです。

「歯根破折したら抜歯」

というのが歯医者さんのセオリーのようになっているので、

患者さんの歯の根にヒビが入っているのを見つけると、

「この歯は抜歯になります」と言われることがほとんどのようです。 

歯根破折の修復は難度が非常に高いため

技術を持ち合わせていない先生も多いでしょうし、

抜歯して次の治療(入れ歯やインプラントなど)に進んでもらった方が

医院の利益は大きくなるので、

“何とかこの歯が残せるようにがんばろう!”というモチベーションが

上がりにくいというのも、歯科医院の実情としてあるのかもしれません。

先日来院された患者様は、

左上の第1小臼歯(4番)が破折し、他院4件で「抜歯」の診断をされたそうです。

「歯を抜かれたくない!」の一心で、当院ホームページを見つけ来院されました。

やはり破折の原因はメタルコアで、

歯の約1/3が、歯肉縁下深く破折していました。

 私ですら正直、当初「抜歯」を想定しましたが、

『歯周外科』『ファイバーコア』『セラミッククラウン』で、

奇跡的 審美補綴しました。

(かみ合わせの負担を減らすため、若干低めにしています)