歯周病は(いわゆる歯槽膿漏:しそうのうろう)、
歯のまわりにたまった細菌によって歯ぐきに炎症がおこり、
歯を支えている骨が溶けていく病気です。
痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進行して、
歯がグラグラになって抜けてしまうこともある病気なのですが、
口の中の病気である歯周病が、
いくつかの全身的な病気と関連していることが分かってきました。
具体的には、関節炎、腎炎、気管支喘息、
糖尿病、肺炎、心臓病、動脈硬化、低体重児の出産、痴呆症、ガンなどです。
歯周病を長い期間治療せずに放っておいて悪化すると、
歯周病菌や毒素が私たちの体に侵入してきます。
細菌や毒素などが血液によって全身に運ばれていくと、
上記のような別の病気を引き起こしたり、悪化させたりするのです!
特に、お年寄りに多い肺炎は口の中の細菌が原因の一つである
と言われています。
また、糖尿病の患者さんは、歯周病にかかりやすく、
体の抵抗力が鈍っているため治療を行っても
治りが悪いことが分かってきました。
歯周病によって病気が悪化するということは、
その反対に、歯周病を治療することで全身症状や病気が改善する、
という正の連鎖もあります。
歯周病を治すには、口の中の歯周病菌の数を減らすことです。
特に、歯科医院で歯石と細菌をしっかり除去すること。
そしてもう一つは、
自宅で正しい歯みがき・フロス・歯間ブラシ・ワンタフトブラシを行なうことです。
きれいになった患者さんの歯が、良い状態で長持ちすることを願っております。