「父は、歯医者に行くたびに歯を抜かれるんです!」と
お嘆きだったお嬢様(当院患者様)からのご紹介で、
お父様が当院を受診されました。
日本の一般的な歯科医院では、グラグラになった歯周病や
かなり進行したムシ歯は治療が難しい上、
保険診療では経営が赤字になるため、
「抜歯をするのが適当である」とされています。
この場合、患者さんにとっての最善の方法として
抜歯が選択されているのではなく、医院都合での抜歯と言えなくもありません。
しかも、抜歯さえしてしまえば、
その後ブリッジ・入れ歯・インプラントなど、
医院が先々儲かるシステムになっているので、
歯科医が努力すれば本当は残せるかもしれない歯も、
「抜歯」という判断に至りやすい傾向はあると思います。
抜歯後にインプラントをすすめられたことがある方は多いと思います。
ところが、大学病院のデータからも、
インプラントが適している患者さんは10人のうち1人か2人だと言われます。
また、インプラントは手術(オペ)を行うため、
医院側の設備、技術、滅菌消毒の徹底などが非常に難しく、
日本できちんとインプラントのオペができる医院は
それほど多くないように思います。
MI(エムアイ:Minimal Intervention最小限の侵襲)の考え方からも、
私は、1~2本の抜歯(あるいは、1~2本歯が抜けた状態)であれば、
ダイレクトブリッジをおすすめします。
ブリッジは、固定性が高く歯が安定するので、
比較的かたいものも食べることができます。
当院で行なっているダイレクトブリッジは、
両隣の歯をほとんど削らずに接着できます。
健全歯への負担が少なく、ぴったりと接着するので
ムシ歯になる可能性も少ないのです。
私の父も10年以上前にダイレクトブリッジを行ないましたが、
今もまったく問題なく機能し、両隣りの歯を含め、
予後も大変良好で本人も喜んでいます。
今回の患者様も、『歯周治療』と『咬合治療』後、
左上第1小臼歯(4番)を『ダイレクトブリッジ』で審美補綴。
同時に、前後の「ムシ歯」も『ダイレクトボンディング』で
審美修復いたしました。
他院で抜歯された方や、インプラントをすすめられたけれど
他の治療法をお探しの方、その他歯に関してお困りのことがあれば、
遠慮なくご相談ください。