最近、歯科医院の宣伝文句の一つに
「ラバーダム使用」を強調する傾向が見られます。
「ラバーダム」とは、歯を治療する際に、
歯の周りに「ゴムのエプロン」を装着するための治療用具のことです。
ラバーダムは本当に必需品なのでしょうか?
たとえば、自転車の「補助輪」(転倒防止の安全器具)、
食事の時の「エプロン」(衣類の汚れ防止)、
自動車レーサーが使うような「ヘルメット」(事故時の頭部保護用具)
…これらはいずれも、【予防安全対策】のために考案された商品です。
日常生活において、【予防安全対策】のために、
「自転車の補助輪」「食事用のエプロン」「ヘルメット」を毎日する方は、
ほぼ皆無に近いのではないでしょうか。
【予防安全対策】のメリットより、
不便・不快・必要性が低い・コストがかかる…等のデメリットの方が、
明らかに大きいからだと思います。
では、「ラバーダム」の場合はどうなのでしょうか?
【予防安全対策】としての最大のメリットは、
治療器具や薬剤の「誤飲・誤嚥」の防止効果です。
ただ、余程の不注意が無い限り、通常起こり得ない医療事故です。
一方、「ラバーダム」の最大のデメリットは、
ひどい虫歯(C4)でラバーダム装着が困難な場合、
「根管治療が不可能」という「理屈(屁理屈?)」で、
安易に「抜歯!」の診断が下されてしまう点です。
本来なら、「歯」を残すためのラバーダムのせいで歯を失うなんて、
まさに本末転倒ですね。
『角を矯めて牛を殺す』という有名な格言があります。
【予防安全対策】と称して「ラバーダム使用」を強調し、
本来残せる歯まで「抜歯→インプラント!」への
誘導に利用される傾向もありますので、ご注意お願いいたします。
2021.04.21ブログ
『ラバーダム』の功罪
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