人に対して誠意をもって接するのはもちろんですが、
自分自身に対しても誠意正心でいるかどうかで
人間の短い生涯の値打ちも変わってくるように思います。
そういう意味では、経営とは生き方を体現したものだということができるかもしれません。
収益を追っかける経営をしたら、絶対にリズムが狂うと思います。
短期的利益を上げるためにごまかしや辻褄あわせを重ねていけば、
「もっと、もっと」と歯止めが利かなくなり、
その挙句に収支も成長もダメにしてしまうことが多いのではないでしょうか。
ましてや儲けるためなら何をやってもいいとなったら、
患者さんをまったく見ない経営になってしまう。
努力もせずにすぐに成功と満足を得ようという風潮に右往左往して、
心が混乱してしまえば、真に価値のあるものなど何も生み出せないと思います。
患者さんのためにどれだけいいことができるか、喜んでもらえるか。
その結果として病院も長く続けることができた。
ありがたいことだと感謝できるのが一番幸せだと思います。
おめでたいことばかり言っているように想われるかもしれませんが、
「他を利する」ところに歯科医師の仕事の原点があると想っています。
こちらがちょっと損をしても患者さんに喜んでもらえて、
いい治療をしているということが伝わっていけば
それだけ患者さんもたくさんある歯医者さんのなかでうちを選んでくれ、
ながくお付き合いしてくれますし、家族や知り合いを連れてきてくれます。
これからも自分の信ずるところを素直に表し、
また自分自身がそれを本気で実践していきたいと想っています。