マスメディアの悪影響でしょうか?
困ったことに、当院にも時々、「CT」・「マイクロスコープ」・「レーザー」等々の特定の医療機器の存在に
過度に執着する患者さんがおられます。一方で、そうした医療機器を設置していることを『宣伝』として
利用している医院があるのもまた事実です。
本当にこれらの医療機器が必要な患者さんは、1%程度なのに。。。
そもそも、【一流のプロ】と、二流・三流の違いは何でしょうか?
「使う道具」の価格や新旧でしょうか?
例えば、
最新・最高額のラケットを手に入れることができれば、誰でもトッププレーヤーになれるのでしょうか?
さらに、「主婦」の方々は、ある意味、「料理のプロ」です。最新・最高額の調理器具や食材を手に入れる
ことができれば、誰でも超一流のシェフになれるのでしょうか?
ところで、以前最新の医療技術として導入した【内視鏡手術】で、
8人が死亡するショッキングな事件が、某大学病院で起きました。
なるほど、「最新の医療技術」といえば、たしかに聞こえは良いですね。
ただ、その陰には、多くの失敗(犠牲)と努力の積み重ねが必須であることを決して忘れてはなりません。
この事件も、被害者が3〜4人の規模ならば、おそらく闇から闇に葬られていたのではないでしょうか。
「最新の技術」も未熟な者の手にかかれば、【凶器に変貌する!】
という事実を、この事件は私たちに教えてくれています。
大きな注目を集めた「薬剤」や「治療法」が、わずか数年で廃れてしまう事例は、枚挙に暇がありません。
安易な「新し物好きの方」は、くれぐれも【人体実験の犠牲!】にならないようにご注意願います。
私は、流行には流されず、医者には、知識・経験・技術・人格が大切だと信じて、
生涯、研鑽していく所存です。